製品・ソリューション

高耐性ブルーライトカット剤

ディスプレイや光学デバイスに悪影響を与える紫外線やブルーライトを効率的にカットする、高耐性ブルーライトカット剤をご紹介します。
有機ELディスプレイの寿命を延ばすことが期待できるほか、より過酷な使用環境での耐久性が求められる車載用途や屋外のサイネージなどへの展開も可能になります。

ブルーライトとは

ブルーライト(高エネルギー可視光線)は、可視光線の中でも紫外線に近い波長(380nm~500nm)で、非常に強いエネルギーの光です。ブルーライトは、人体や素材・内容物にさまざまな影響を与えます。

ブルーライトが与える影響

素材・内容物への影響

太陽光に含まれる紫外線は物質を劣化させる性質を持っており、上の事例のように経時で物質を劣化させてしまいます。
しかし、実は紫外線だけでなくブルーライトも同様に物質を劣化させる性質を持っているのです。

下の図は、①カット層無し②紫外線カット層のみ③紫外線カット層+ブルーライトカット層で素材(物質)の保護能力を比較した図です。紫外線とブルーライトの両方をカットすることで、有機物の劣化防止効果がさらに期待できます。

太陽光に含まれる紫外線とブルーライトが物質を劣化させた事例
印刷物の経時劣化

印刷物の経時劣化

屋外に置かれたカラーコーンの経時劣化

屋外に置かれたカラーコーンの経時劣化

ブルーライトカットによる素材保護の一例:黄色顔料

人体に与える影響

ブルーライトは目の奥の網膜まで届き、白内障や加齢性黄斑変性を引き起こす可能性があります。
また、ブルーライトを長時間目に入れると、視界のちらつきや目の疲れに加え、体内リズムを崩し睡眠障害を引き起こすという報告もされています。

ブルーライトをカットする主な素材

ブルーライトをカットする素材はさまざまあり、それぞれの素材にメリットデメリットがあります。
当社の開発品はさまざまな性能において、高いレベルを発揮します。

透過スペクトル 耐光性 耐熱性 透明性 必要添加量
(ブルーライト領域のカット)
当社開発品
UV吸収剤 ×
長波長UV吸収剤 × ×
黄色染料 × ×
黄色顔料 ×

製品の特長

効率よくブルーライトをカットできる

当社開発品と他社UV吸収剤の波長ごとの透過率の比較
当社開発品は、一般的な紫外線吸収剤と比較して380nm~420nmに強い吸収を持つため、ブルーライトを効率よくカットできます。

高い耐光性と耐熱性

キセノンランプ100時間照射後の透過率の変化

当社開発品は、他社の長波長UV吸収剤と比較して高い耐光性と耐熱性を有しています。

当社開発品B

当社開発品B

当社開発品D

当社開発品D

他社長波長UV吸収剤

他社長波長UV吸収剤

熱分解開始温度

当社開発品A 当社開発品B 当社開発品C 当社開発品D
TD
(TG-DTA)
320℃ 280℃ 320℃ 350℃

各用途で期待できる効果

ディスプレイ・光学デバイス

ディスプレイ:OCA、カバーフィルム、光学フィルム など
光学デバイス:VR・ARグラスや光学レンズ、光学フィルター など

効果:高効率にブルーライトをカットし、光学部材の保護が期待できる

当社の開発品を使用することで、高効率にブルーライトをカットし、光学部材の保護が期待できます。
また、以下の用途でもご使用いただけます。

  • 高い耐光性と耐熱性を有し、屋外や高温加工が必要な用途でも使用できます。
  • 保護用途だけでなく、紫外線・ブルーライトカット領域の波長を制御したいという用途でもご使用いただけます。
紫外線カットフィルターによる光学部材の保護のイメージ

紫外線カットフィルターによる光学部材の保護のイメージ:ブルーライトは透過するため、有機EL素子が劣化し黄味がかった画面になる

ブルーライトカットフィルターによる光学部材の保護のイメージ

ブルーライトカットフィルターによる光学部材の保護のイメージ:ブルーライト・紫外線共に透過しないため、有機EL素子の劣化を防止し鮮やかな画面を維持する効果を期待できる

メガネレンズ

効果1:眼だけでなくレンズ中の色素(有機物)の保護も期待できる

当社の開発品を使用することで、眼だけでなくレンズ中の色素(有機物)の保護も期待できます。

紫外線カット材によるレンズ中の色素の保護のイメージ

紫外線カット材によるレンズ中の色素の保護のイメージ

当社開発品によるレンズ中の色素の保護のイメージ

当社開発品によるレンズ中の色素の保護のイメージ

効果2:ブルーライト領域(380~400nm)の吸収が強いため、添加量効率が高い

当社の開発品は、ブルーライト領域(380~400nm)の吸収が強いため添加量効率が高く、高性能で薄膜なレンズが簡単に作製可能です。また、ブリードや結晶化を軽減し不良品効率が低下するため、コストの削減につながります。

当社開発品の使用による添加量効率上昇のイメージ
当社開発品の使用による添加量効率上昇のイメージ

③ 医療包装

効果1:単体で紫外線とブルーライトをカット可能で、ビタミンなど多様な有効成分の保護に有効

当社開発品の波長ごとの透過率
当社開発品の波長ごとの透過率
当社の開発品は、単体で紫外線とブルーライトをカットすることができるので、ビタミンなど多様な有効成分の保護に有効です。

効果2:高い透明性・視認性を実現

透明性・視認性の比較:NATURAL(PET)、当社開発品、染料、顔料
透明性・視認性の比較
当社の開発品は、高い透明性・視認性を実現しています。

また、独自の新規構造により、高温加工でも使用可能なほか、耐光性が高く、長期間有効成分を保護できます。

お問い合わせ

トーヨーカラー株式会社 機能材料営業部

トーヨーカラー株式会社